34 research outputs found

    Does parents' embrace of their child affect their parental feelings?

    Get PDF
    本研究では, 抱きしめを含む日常的な親の身体接触の程度が, 幼稚園に通う子どもの年齢によって異なるのかどうかを調査し, 抱きしめるという行為を実験的に繰り返すことで, 親の子どもに対するイメージに変化が見られるかどうかを検証することを目的とした。10日間の抱きしめによって, 児に対する肯定的な感情得点の上昇が見られ, かつ否定的な感情得点の低下が見られたのは, 年中組の父親と母親のみであった。これは4歳齢が, 親子の関係に揺らぎが現れ始めるという難しい年齢であることを背景に, 実験的な抱きしめによって, 年中組の父親と母親に, 児に対する感情得点における望ましい変化が見られたことを示唆する。 日常的にあまり抱きしめを行っていない父親と母親においても, 抱きしめをすることで, 児に対する肯定的な感情得点の上昇と否定的な感情得点の減少が見られた。1ヵ月後においても, その好ましい変化傾向は維持されていた。日常的にあまり抱きしめを行っていない父親と母親にとって, 児を抱きしめるという行為は, 愛情表現としての行為であるだけでなく, 親にとって児を理解するための有効な手段のひとつとなり得ると思われた

    The role of movement in young children's development.

    Get PDF
    本研究の目的は, 運動, 認知, 社会性の3つを同時に縦断的に測定し, 複数の運動項目による質的な群分けを試みるとともに, 子どもの日常を加味した事例的検討を行うことにより, 運動発達が認知や社会性の発達に及ぼす影響を, 総合的にかつ個別に明らかにすることであった。年中児33名, 年長児35名を対象に, 約6ヶ月間隔で, 運動能力8項目と認知や社会性に関する5項目を測定した。クラスタ分析の結果より, 年中児では3つ, 年長児では4つの群に分けることができ, 各群の違いは, 運動に対する子どもの好き嫌い, 苦手意識や緊張感などによって説明できた。また, 重回帰分析の結果から, 年中児では, リーダーに関してはリズム, チャレンジに関しては捕球, 年長児では, リーダー, チャレンジともにボール投げが, 影響を与えていると考えられた。そして, 縦断的に検討した結果, 運動面でも大きな伸びが見られるとともに, 意欲や積極性が増す群が存在した。その一方で, 一部の運動能力の数値とリーダーやチャレンジの評定が共に下降した群も存在した。さらに, 5名の事例を検討することにより, 運動と社会性の発達的な関係を具体的に示した

    A study on "growing" and "learning" through nature experience in early childhood.

    Get PDF
    本研究では, 従来の研究のように保育者を中心にその周囲にいる子どもの自然体験を記録するのではなく, 特定の子どもの自然体験を4ヶ月間記録し, それを昨年度の記録や小学校の生活科の実践記録と比較することにより, 幼児の自然体験における保育者の援助や子どもの「育ち」と「学び」の特徴を検討した。その結果, 保育の文脈からある場面や活動だけを切り取ると, 昨年度の研究と同様に, 自然体験における「学び」を取り出すことはできるが, 実際の保育では, 一人ひとりの「育ち」が重視されており, 「育ち」と「学び」は切り離されたものではなくつながっていることが明らかになった。そして, 「育ち」の充実により「学び」を支えていこうとするところに幼児教育の独自性があること, つまり, 幼児教育では, 特定の領域の知識や技能を学習する小学校とは異なり, あらゆる領域においてさまざまな体験を重ね, それらが有機的に関連づくことにより, 生きる力や学ぶ力の基礎となる心情, 意欲, 態度が育つことが重視されていることが示唆された

    A Study of Reflection through "Episodic Recording Method" in Kindergarten : Analysis of Practical Record and Conference for Improving Childcare Practice.

    Get PDF
    本研究の目的は, 「保育実践」→「エピソード記述」→「保育カンファレンス」→「リライト」→「再び保育実践」という一連のプロセスにおける省察についての方法論を検討し, その可能性を明らかにすることにある。これまでの実践記録の多くは行動観察に基づく客観的な事実のみが記述されることが多かった。他方, 鯨岡(2005; 2007; 2008)が提唱するエピソード記述法は, 保育者が綴る実践記録として, 質的研究方法のひとつとして注目されてきている。本研究では, 鯨岡のエピソード記述法を手がかりに, エピソード記述を描き, それをもとに保育カンファレンスを行い, カンファレンスでの協議をもとに, 再度エピソード記述を書き直した。このような一連の過程における実践的意義として以下のようなことが挙げられる。第一に, エピソード記述を描くことにより, 保育者自身が抱える問題意識がより明確となり, その子(対象児)理解の枠組みが意識化されたと考えられる。第二に, カンファレンスを行い, その後にリライトを行った結果, 時間の経過にともなう子どもの変容や保育者自身の子ども理解の枠組みに関する変化を捉えることができた点である

    A Study on the Teachers' Support for Improving the Quality of Young Children's Play : Focus on the Involvement of Young Children.

    Get PDF
    本研究の目的は, 対象児(3歳女児: S児)の遊びの様子をビデオカメラで撮影し, その映像データを用いた保育カンファレンスを通して, 遊びに対する彼女の「夢中度」を探ることで, 遊びの質を高めるための保育者の援助について検討することである。 研究の手順は, 次の通りである。(1)S児の遊びの様子をビデオカメラで撮影するとともに, 彼女の遊びのエピソードを抽出し, 「夢中度」を評定した。(2)保育者・研究者・大学院生の保育カンファレンスを通して, S児の遊びの「夢中度」の高/低の理由, 彼女の遊びの「夢中度」がより高くなるための視点について検討した。 研究の結果, S児に対する保育者の個に応じた援助について, 以下の点が示唆された。(1)S児の興味に目を向けながら, 自発的に遊びに向かうことのできる環境を構成する。(2)保育者も一緒に遊ぶことで, 遊びの楽しさや面白さを共有する。(3)S児のつぶやきや表情を注意深く観察し, 相互のコミュニケーションを重視する。(4)S児が自発的に素材や道具にかかわることができるような場を構成する。(5)友だちと共通点が持てるような契機をつくり出す

    The Role of Putting Stickers into the Individual Child Attendance Notebooks in a Kindergarten <Original work paper>

    Get PDF
    The purpose of this paper is to establish the role of putting stickers into the individual child attendance notebooks in a kindergarten. The act of putting stickers into the individual child attendance notebooks is unique to Japanese kindergartens and nursery schools. In this study, we observed 3~5 years old children using their individual child attendance notebooks and also obtained data by means of the questionnaires to the class teachers. Our results show that its roles are not only for checking children’s attendance in kindergartens but also the child attendance notebooks 1) work as a kind of teaching material, 2) help children form relationships with their teachers and peers, 3) help them adjust mentally to their surroundings, and 4) teach them about the daily routines within the kindergarten
    corecore