デス・エデュケーションにおける"いのち"の視座 : 見えるいのちと見えないいのち

デス・エデュケーションは、“いのち”の意義を探求し、自覚を持って自己と他者の死に備えての心構えを習得することを目的とした教育である。この教育の課題である“いのち”には主として2つの意味がある。第1には、「生物が生きていくためのもとの力となるもの」（見えないいのち）である。第2には、「生きている間、生涯、一生」（見えるいのち）である。ここでは、見えないいのち（死なない永遠のいのち）の意義・内容について現代物理学の視点から考察し、自己及び他者の中に永遠に死なない宇宙の命が宿っていることを論じる

オーストラリアにおける在宅ケアの現状 : HITH, PAC, HACC制度を中心とする日本との比較

オーストラリアでは、一般病床の平均在院日数は6日である。一方、日本では一般病床の平均在院日数は、44.2日と国際的には最も長い。このオーストラリアでの短期の在院期間を支えているのが、1995年に導入された在宅での急性期のケア制度（HITH制度）である。ここでは、オーストラリアにおける在宅でのケア制度（HITH、PAC、HACC制度）の概要及び課題について考察する

トルマリン利用健康商品の遠赤外線放射特性

遠赤外線は、人体の血流や皮膚細胞の活性化などに対して効果を持つことが確認されており、トルマリンは、他の誘電体に比べて遠赤外線放射率が高い。ここではそれを利用した健康商品のトルン・リングやトルン・シーツの使用前後の遠赤外線放出特性を分析した。その結果、トルン・リングでは、リング中のトルマリンとゼオライト混合粉末からの遠赤外線放出が確認され、使用後に効果の無くなっていたトルン・リングは、トルマリンとゼオライト混合粉末の粒塊同士がタール状のものでおおわれて単独で動けなくなっている様子が走査電子顕微鏡による観察より判明した。このタール状のものが遠赤外線放射効率を減少させていると考えられた。また、トルン・シーツは、トルマリンの分布密度が低く、その遠赤外線放射率は、トルン・ループに比べ低くなっていた

看護短大における情報科学教育とキャンパスLAN

開学2年目を迎えた島根県立看護短期大学のネットワークシステムの活用状況とその問題点及び情報科学教育の授業評価を、統計的分析を含めて行った。ネットワークシステムの活用状況についてはキャンパスLANは良く使われていて、中でも電子メールが最もよく利用されているが、インターネットの活用は不十分であり、活用を推進するために利用者教育が必要である。また情報科学・情報処理の授業評価の因子分析より、授業は、4つ因子から構成されていると考えられ、その中で「教員の授業取り組み」の度合いの重要性が分析された。一方、評価の個人差を調べるために因子空間へ因子得点をプロットしたが、はっきりとした差は見いだせなかった

竹炭マットの利用による人体への効果

炭は防臭、吸湿、保温効果など様々な効果があると言われている。中でも竹炭は、その孔の内部表面積は木炭の2～3倍と言われている。ベッドに竹炭使用マットを活用し、竹炭が人体におよぼす影響を測定するため、実験を行った。体温、脈拍、血圧、血流量の測定を行った結果、竹炭マット使用ベッドの方が、竹炭マット非使用ベッドよりも、腰部表面温度については上昇率が高いという結果を得た

トルマリン利用健康商品の生体に対する効果 : 心拍変動スペクトルによる検討

トルマリン利用健康商品からの遠赤外線放出が生体に与える効果について調べた。健常な男女20名を対象として常温遠赤外線放出シーツ及びループ利用寝具使用時に、心拍変動の測定を行い、通常の寝具使用時と比較検討した。心拍変動スペクトル解析から、通常寝具使用時よりも常温遠赤外線放出シーツ及びループ利用寝具使用時において、実験開始から60分後の実験終了まで、副交感神経優位であり、自律神経系に影響を及ぼしていることが明らかになった

現代物理学とユング心理学の接点 : 暗在系と集合的無意識

近代科学は物質世界の解明に成功した。人類は、その応用により科学文明社会を20世紀に出現させ、現在に至っている。その一方で、近代科学は、精神世界の現象の多くについて解明せずに見過ごしてきた。ところが、現代物理学では、その見過ごしてきた精神世界に関与する現象を見過ごすことができなくなったのである。ここでは、現代物理学からでた仮説である“Bohmの暗在系”が、精神世界を解明する心理学から出た仮説の“ユングの集合的無意識”と類似していることについて考察する。さらに、それらはホリスティック医学における“生命場”とも対応していることを考察する

看護学生を対象としたデス・エデュケーションに関する意識調査

看護学生のデス・エデュケーションの認知状況について把握する目的で調査を行い、232名から回答を得た。その結果、（1）看護学生の"デス・エデュケーション"という言葉の認知は全体の28.0%と低いが、過去に"いのちの教育"は65.9%が学んでいた。（2） デス・エデュケーションの目的や必要性は多岐にわたるが、看護学生の認識には偏りがあった。教育の時期に関しては、発達段階をふまえた指導方法の確立が必要である。（3）生涯教育としてデス・エデュケーションは全ての人に必要であり、特に看護学生には重要である。若者は死を考える機会が減少しており、死を身近なものとして捉えられるような看護教育の取り組みを考えていく必要がある

学内LANによる情報教育環境の構築と運用

島根県立看護短期大学は、関学から学内LANを構築し、運用を開始している。この学内LANは教育、研究、業務等大学全体の情報利用を目指したトータルなネットワークとしてスターとした。このLANは、さらにインターネットと接続し、文献検索、世界の看護情報の収集に活用している。初めて学内LANを体験した学生は、非常に便利で有効なシステムであると感想を述べた。コンピュータネットワークの活用は、世界の人々と情報の交換が容易に行え、今後の看護、医療の発展に大きな寄与を与えると考えられる

看護教育における情報教育の効果的教育方法の検討

島根県立看護短期大学は、特徴ある看護教育として、「老人看護学」「地域看護学」「精神看護学」を開講しているが、学内LANをはじめ充実した施設整備を活用した情報科学・情報処理の教育にも力を入れている。21世紀にむけて看護の役割が、さらに重要になり多様化する中で、最良の看護を提供するために、あるいは適切な看護管理などのためにコンピュータの活用が求められている。島根県下の高等学校、実習関連病院、本学学生を対象に情報科学に関連した調査を実施し、看護教育における情報科学の教育目標に到達するための効果的かっ学生が自ら学ぶ意欲を育成する教育方法の検討を行った。現状では、コンピュータ入門から統計処理入門の段階にとどまっている情報科学・情報処理の教育は、今後めまぐるしく変化している高等学校教育と患者中心の医療をより発展させるために看護システムが広がりつつあることをふまえた内容にする必要がある