114 research outputs found

    認知症高齢者における通所サービス利用者の居住空間支援について―家族と通所サービス職員の認識の違いに焦点を当てて―

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    本研究の目的は、通所サービスを利用している認知症高齢者のADL、IADL、居住空間の使い方に関して家族と施設職員の認識の違いを明らかにし、認知症高齢者の残存機能を最大限に活用した居住空間支援についての手がかりを得ることである。A 市の2 施設で通所サービスを利用している認知症高齢者56 名の家族と通所サービス職員を対象とし、ADL、IADL、居室の使い方についてアンケートを実施した。1人の認知症高齢者に対し家族と通所サービス職員の2 名でそれぞれ評価した項目について、認識の違いを比較検討した。 分析の結果、家族と通所サービス職員の認識はADL とIADL の項目について50% 以上一致していたことが明らかとなった。電話や金銭管理のような実際に施設で行っていない内容は職員のほうが能力を低く評価する傾向にあった。居住空間の使い方に関する項目は、「やる気がなくなってきたように感じる」等の感情面について家族は低く評価する傾向にあった。認知症高齢者の残存機能の維持向上のためには、家族と職員が「その人らしさ」や「なじみ」について互いに知ることで効果的な支援につながる可能性が示唆された

    一般病院に入院する認知症高齢者と看護師の対応困難場面における相互行為に影響する要因の検討

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    本研究の目的は、一般病院に勤務する看護師を対象とし認知症高齢者の対応困難場面を振り返り、相互行為を明らかにしなぜ困難感が生じるのか相互行為に影響する要因を検討することである。 A 県B 市の回復期リハビリ病棟を含む一般病院で同意の得られた24 名の看護師を対象とし、記述と面接でデータ収集を実施し、エスノメソドロジーの手法と記述的分析方法で質的帰納的に分析を行った。 結果、認知症高齢者と看護師の24 例の相互行為を抽出し、相互行為の構成要素は【手がかり】、【認知症高齢者の状況】、【行動の解釈】、【看護師が意識を向けるもの】、【対応】、【看護師の感情】の6 つであった。相互行為を産出させる局面は《認知症は患者の持ち味であると認める》、《各方面で生じる不平等さを消化する》、《価値観を反映する》、《治療優先の統一した指向性を持つ》の4 つが明らかとなった。一般病院における認知症高齢者の看護では、認知症高齢者に関わる時間の確保が重要であり、断続的な対応の暫時に関わる質を高めることよりも持続して同様に関わることで不穏などの対応困難な状況が回避でき、治療優先の環境でも認知症高齢者のその人らしさを尊重した看護実践の必要性が示唆された

    肩腱板断裂患者の夜間牽引の苦痛に関する調査報告

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    肩腱板断裂患者の手術後の夜間牽引による苦痛についてアンケート調査を行なった。苦痛を感じていることは、拘束感、装具の音、看護師を呼ぶこと等であった。これらの結果を男女別、装具別、手術をした肩別について、それぞれ2群に差があるかどうかを検定した。男女別では起き上がりにくさ、枕を使用できないこと、装具別では装具を剥がす時の音、手術をした肩別では起き上がりにくさに有意差が見られた。こうした患者が感じている苦痛を理解し、今後も術前からの練習や指導、術後装具を剥がす時の配慮が必要と考える。Article信州大学医学部附属病院看護研究集録 32(1): 11-15(2004)departmental bulletin pape
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