The Darkest Abyss in Henry James’s “The Aspern Papers”: The Narrator’s Desire and the Loss of the Papers

Abstract

application/pdf故人となって久しい詩人Jeffrey Aspern について調査する批評家が,数十年前に恋人Juliana Bordereau に宛てて書かれた書簡をなんとしても手に入れようと画策するが,結局失敗する。“The Aspern Papers” はそのような物語であると,通常,受け止められている。ところで,Henry James は一人称の語りを用いることに対して慎重な考えを持っており,その理由として,一人称の語り手は物語に“the darkest abyss of romance”(AN 320)を忍び込ませるものだと書いている。そうであれば,あえて一人称の語りが採用された“The Aspern Papers” は,積極的にロマンスの深淵が仕掛けられた作品と考えるのがふさわしい。数十年前の出来事であるAspern とMiss Bordereau の関係がどのようなものであったのか,語り手は伝聞としてしか知りようがなく,読者はその語り手を通してしか知りようがない。そのような条件のもとで,読者は何を知りうるだろうか。本稿では,その点について検証し,精神分析の理論を参照しながら,“The AspernPapers” の新たな読解の可能性を探る。departmental bulletin pape

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