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1999年7月老人保健適用者外来薬剤費一部負担撤廃の効果

By 宏明 増原 and 邦彦 村瀬

Abstract

外来薬剤費一部負担は1997年の9月に薬剤処方にコスト意識を喚起させるために導入されたが,医師会の強い意向により,老人について1999年7月に特例措置により撤廃された.本稿は,組合健康保険の調剤と外来のレセプトデータを用いて,老人保健適用者の外来薬剤費一部負担が調剤と外来の受診行動にいかなる影響を及ぼしたかを分析する.未受診者を含めて分析可能なcount dataを用いて医療需要関数を推定し,なおかつ消費者主権的需要(Poisson,NB,Finite Mixtureモデル)とprincipal agent仮説(hurdleモデル)を同一の枠組みで比較しながら,受診行動を特定化した上で政策評価を行った.主要な結論は以下のとおりである.1),記述統計では,1999年7月以降に男性の調剤(外来)の日数は2(2)日,医療費は1,000(5,000)点上昇する.女性の調剤に関しては微増であるが,外来受診日数と医療費は減少する傾向にある.2),受診行動に関しては,外来は消費者主権的な行動であるが,調剤に関しては説明変数の自己負担率の有無により,異なる結果となった.3),調剤は2つのモデルともに1999年7月の改定により受診日数が上昇するが,外来についてはモデルにより改定の効果が異なる結果となった.これは,1999年4月に実施された自己負担の引き上げが影響していると考えられる.4),1999年7月の限界効果は,調剤で0.1〜0.6日,外来は-0.5〜0.4日となる.仮に外来の受診日数が抑制されていても,調剤の需要は増加しており,しかもこれが医師によってある程度コントロールされている可能性があると結論付けることができる.

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