Article thumbnail

化学産業の製品開発に関する予備的考察

By 隆宏 藤本, 健一 桑嶋 and 純一 富田

Abstract

本稿の目的は化学産業における「効果的な製品開発パターン」を明らかにすることである。この目的のために、化学企業22社(51プロジェクト)に対するアンケート調査データをもとにして幾つかの統計的な分析を行った。まず、化学製品を産業財と消費財とに分類して「成功プロジェクト」と「失敗プロジェクト」のプロフィールを比較した分析では、産業財の中でも、コンセプト開発、要素技術開発、コミュニケーション、人材活用などに関わる変数(組織・行動パターン)において、成功/失敗プロジェクトの間で統計的に有意な差が見られた。また、産業財と消費財の成功プロジェクト同士の比較では、コンセプト開発や製品開発資源などに関わる変数において統計的に有意な差が見られた。従来、日本の化学産業の製品開発プロジェクトに関する包括的な実証分析はほとんど行われてこなかったため、どのような組織変数がパフォーマンスに影響を与えるかについては十分明らかにされてこなかったが、本研究の結果、プロジェクトの成功と失敗を分かつマネジメント上の要因がどの辺りに潜んでいるのかについて、おおよその見当がつけられた。また本研究では、製品開発パフォーマンスについて回答企業から得た主観的な評価をもとにして、「プロジェクトの成功/失敗の構成概念」の検討も行った。すなわち、プロジェクトに対する「成功」/「失敗」という判断と、その判断(評価)の際に重視した要因との関係を統計的に分析したのである。その結果、プロジェクトの成否判断にあたっては、多くの企業で「市場性」に関わるパフォーマンス指標が重視されていたものの、一部の企業では「技術」や「将来性」に関わる指標も重視されていたことが明らかとなった。本研究で示されたプロジェクト評価における重視要因(ウェイトづけ)は、あくまでプロジェクト終了後に行われた「事後的」なものであるが、「プロジェクト・セレクション」など、製品開発における(事前的な)評価基準の一つとして応用できる可能性もある。「化学産業における効果的な製品開発プロセスの研究/分析枠組みと若干の実証分析」, 『経済学論集』, 東京大学経済学会, 67(1), 2001年4月, 改訂稿

Topics: 330
Publisher: 東京大学大学院経済学研究科
Year: 2000
OAI identifier: oai:repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp:2261/2355
Provided by: UT Repository
Download PDF:
Sorry, we are unable to provide the full text but you may find it at the following location(s):
  • http://hdl.handle.net/2261/235... (external link)
  • Suggested articles


    To submit an update or takedown request for this paper, please submit an Update/Correction/Removal Request.